断熱材は木材以上の断熱性能!住宅購入で役立つ断熱の基礎知識



新築住宅を購入する際の検討項目に「断熱効果が期待できる家」を挙げる人は少なくないでしょう。断熱効果の高い家にすれば、暑さや寒さをしのげるだけでなく、ランニングコストも抑えられます。今回は、家づくりにおける断熱ポイントに着目して、住宅建築で断熱材を使う理由に触れながら、断熱に関する基礎知識についてご紹介します。


住宅建築で断熱材を使う理由

断熱材は、木造住宅に見られるすき間の解消だけでなく、高い断熱性能も有するため、室内の温度管理性能の向上を図るために使用されます。今では住宅建築には欠かせない存在です。断熱材の主な役割をみていきましょう。


熱橋(ヒートブリッジ)を減らす

木と木を組み合わせてつくる木造建築ではつなぎ目が生じます。つなぎ目は風の侵入を許し、家の熱も逃がすすき間となります。特に柱と梁(はり)、柱と間仕切り壁にすき間は生じます。そうした熱が逃げやすい部分を建築用語では熱橋=ヒートブリッジと呼んでいます。また、さまざまな性能を付加した断熱材を使うことで、住宅の断熱性能だけでなく、木材の耐久性、火災に強い耐火性なども高めることができます。


断熱材は木材より断熱性能が高い

木材はもともと蓄熱する性質があるので、コンクリート壁の住宅よりは温かく、室内の湿度調整もしやすいと言われています。しかし、断熱材はそうした木材のもつ断熱性能を上回ります。その高い断熱性能を証明するものが「熱伝導率」です。熱伝導率とは、各物質の熱の伝わり度合いを数値化したもので、数値が低いほど熱が伝わりにくいことを示しており、断熱性能が良いことになります。主な物質の熱伝導率は以下の通りです。

  • 繊維グラスウール(一般的な住宅用の断熱材)=0.05
  • 杉(一般的な木造住宅で使われる天然木材)=0.12
  • コンクリート=1.6

こうした熱伝導率の比較によって、それぞれの素材を使用したときに同じ断熱効果を期待するには、どれくらいの違いがあるかを見てみると、次のような結果になります。

  • 繊維グラスウール10cmの熱伝導率=木材約30cmの熱伝導率

また、繊維グラスウールより、さらに高性能な断熱材である発泡プラスチック系素材のスタイロフォームを加え比較してみると次のようになります。

  • スタイロフォームB3種(高性能な断熱材)2cmの熱伝導率=繊維グラスウール3cmの熱伝導率=木材10cmの熱伝導率


住宅建築で使われる主な断熱材の種類

ここでは、断熱材について、もう少し掘り下げてみていきましょう。


断熱材は2つのタイプに分かれる

一口に断熱材といっても多くの種類があるなか、系統では「繊維系」と「発砲プラスチック系」に分けられます。2つの違いを簡単にいうと、素材の柔軟性と価格、熱伝導率です。繊維系は柔らかく、発砲プラスチック系より安価です。しかし、熱伝導率は発泡プラスチック系より高く(断熱性能は低い)なります。一方の発砲プラスチック系は、硬い材質であり、価格も高くなります。しかし、繊維系に比べ熱伝導率が低く、断熱性能は優れています。


繊維系の主な断熱材と熱伝導率

グラスウール=0.05~0.046

グラスウールはガラス繊維でできた、使用頻度の高い繊維系を代表する断熱材です。柔軟性があるため、厚みを持たせて使われる場合もあります。

ロックウール=0.04~0.035

ロックウールは玄武岩や鉄炉スラグを加工したもので、高い撥水性(はっすいせい)を有する断熱材です。廃棄処理の際に処分しやすいことから、グラスウール同様、多くの住宅で使われています。


発泡プラスチック系の主な断熱材と熱伝導率

硬質ウレタンフォーム=0.04~0.035

細かい気泡の中に、熱伝導率の低いガスを閉じ込めることで、高い断熱性能を実現しているのが硬質ウレタンフォームです。住宅建築で使う際は、水に混ぜて噴射しながら、膨張度合いを見て、整えていきます。

ポリスチレンフォーム=0.034~0.029

ポリスチレンフォームには、ビーズ法と押出法の2種類があります。ビーズ法は、ビーズ状に加工したポリスチレン樹脂や発泡剤などを蒸気で発砲させたものです。ボード状や筒状をはじめとする多彩な形状があり、緩衝性も高いことから、断熱材だけでなく、梱包材(こんぽうざい)としても使われています。発泡スチロールやEPSの別名でも知られた存在です。一方の押出法も、ポリスチレン樹脂や発泡剤などを混ぜるものの、発泡させる時点で押し出してつくるという違いがあります。ボード状の形状が主流で、断熱性能と耐圧力もあるため、主に外断熱で使われている断熱材です。銘柄ではスタイロフォームが知られています。

フェノールフォーム=0.022以下

熱伝導率が最も低いだけでなく、難燃性や耐火性なども優れているのがフェノールフォームです。不燃・準不燃材料にも指定されています。


住宅建築における断熱工法は内張りと外張りが主流

最後は、断熱材を使用する際の「断熱工法」について、見ていきましょう。


内張り断熱工法=充填断熱

内張り断熱では、間仕切り壁の内側に繊維グラスウールや硬質ウレタンフォームなどの断熱材をはり詰めていきます。熱橋防止を目的とし、高い気密性を実現させるための工法です。間仕切り壁以外には、柱と梁、床下、屋根裏などにも施します。内部構造でいうと、外壁材→間仕切り壁→断熱材→石膏(せっこう)ボード→クロスの順になるのが一般的です。


外張り断熱工法

間仕切り壁の外側に、押出法のポリスチレンフォームをはじめとする、硬質ウレタンフォームをはり付けていくのが外張り断熱工法です。内張り断熱工法とは対照的で、断熱材で家を覆うイメージになります。外から断熱材を施すことで、熱橋が解消しやすくなり、内張り断熱工法より高い断熱性と気密性を実現できます。


住宅断熱の最新技術を求めるなら「プロがいる建築会社」がオススメ!

断熱材や断熱工法の基礎知識が理解できれば、見積書を確認する際の目安として役立ちます。例えば、グラスウールとスタイロフォームを使い分けて、外気の侵入しやすい窓の部分は断熱性能を強化するなど、予算の都合と折り合いをつけることも可能です。その一方、建築技術は日進月歩を遂げているため、より快適な断熱性能を望むなら、一級建築士が在籍する建築会社を選んでみてはいかがでしょうか。



参考:

 

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